
東京電力ホールディングス株式会社(2025年度入社)
西山千晴さん
2024年度 大学院人間健康科学研究科 放射線科学域 博士前期課程 修了
Q1 入職の経緯を教えてください。
小学生のときに、東京で東日本大震災の大きな揺れを経験しました。以来自分に何かできることはないか考え、大学時代では都立大ボランティアセンターの東日本きずなプロジェクトに所属しました。震災や東北に興味をもち続けたり、大学で放射線について学んできたりした経験から、東京電力福島第一原子力発電所のインターンシップに参加してみました。
インターンシップを通して、福島第一での仕事内容を目の当たりにし、社員の雰囲気を感じ取り、自分が働く姿を自然とイメージすることができました。また、東日本きずなプロジェクトの活動を通して東北を好きになり、東北で暮らすことに全く抵抗がなかったことから、すぐに入社を決めました。
Q2 業務内容を教えてください。
充実した新入社員研修を終え、私が惹かれたのは廃棄物を取り扱う部署でした。運良く希望が通り、現在私はその中の廃棄物保管を担当するグループに所属しています。
福島第一では日々、多量、高線量の廃棄物が発生しています。限られた敷地の中でそれらを安全に保管していくため、焼却できるものは焼却したり、できないものはコンテナに詰めて整理して配置したりする必要があります。私は主に、福島第一での様々な工事や作業に伴って発生する廃棄物の受け入れ業務や、屋外の一時保管エリアおよび屋内で保管されているコンテナの管理等に携わっています。
Q3 仕事のやりがいはどんなところにありますか。
机上業務もありますが、現場での実際の作業は協力企業のみなさんに実施していただき、それを監理するのが私たち社員の役割です。私自身はまだ監理を任される立場にはなく、業務について分からないことばかりですが、現場を回ったり、業務について教わったりする中で、増え続ける廃棄物を管理することがいかに難しいかを毎日実感しています。
普段、町中を車で走っていると、手つかずの建物や、その前に立てられたバリケードを当たり前のように目にします。大学院に入学した当初は想像もしませんでしたが、現在の私は、かつて研究対象としてよく目にしていたその町で、普通に生活しています。人が少ないことは否めませんが、桜がきれいな時期や夏祭りが開催されるときには、子どもから大人までたくさんの住民が集まります。
廃棄物を安全に保管することは、町に戻りたい人、住んでみたい人が安心して暮らすことに繋がると思います。自分の業務が福島、東北の復興に少しでも役立つと信じています。
Q4 企業就職を目指す人へメッセージ
私は漠然と、自分は病院に就職するとずっと思っていました。自分が知らず知らずのうちに積み上げていたものと、ほんの小さなきっかけが重なり、今私は東京電力福島第一原子力発電所で働いています。
1年後、2年後、自分がどこに就職してどのような生活をしているのか、イメージが湧かず不安な時期が私にもありました。どんな理由であれ、自分が選んだところ、選ばれたところには思いがけない発見があると思います。不安な時期を楽しみながら、就職活動がんばってください!