OUTLINE
事業概要
ご挨拶
このたび、公立大学法人東京都立大学が提案した「国際原子力規制を鑑みた高度放射線防護人材育成プログラム」が、原子力規制庁の令和7年度「原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)」に採択されました。
福島第一原子力発電所事故の経験は、私たちに原子力利用のあり方を改めて問い直す重要な教訓となりました。原子力の安全な利用を支えるためには、単なる技術力だけではなく、国際的な視野と高い倫理観、そして規制に関する専門知識を兼ね備えた人材の育成が不可欠です。
本プログラムでは、国際原子力機関(IAEA)等が示す国際基準・ガイドラインを踏まえ、国内規制の運用や放射線モニタリングの実践技術を体系的に学びつつ、将来の国際協力を見据えた高度なコミュニケーション能力の育成にも注力いたします。
具体的には、講義・実習・シミュレーション教育を融合させた多面的なカリキュラムにより、原子力規制分野における実務能力と判断力を備えた人材の輩出を目指します。
今後5年間にわたり、自治体や研究機関、国内外の専門家との連携を通じて、持続可能な育成体制を確立し、日本および国際社会の原子力安全に貢献することを目指してまいります。
令和7年7月
東京都立大学 大学院人間健康科学研究科
放射線科学域 教授
井上 一雅
原子力規制人材育成事業について
本プログラムは、学部2年生から大学院博士後期課程までの学生を対象とした、最長8年間の教育プログラムです。学部生向けの「放射線防護人材育成基盤プログラム」と大学院生向けの「高度放射線防護人材育成コース」の2階建て構造となっています。
放射線防護人材育成基盤プログラム(学部生向け)
(Fundamental Program for Radiation Protection Human Resource Development)
学部教育では、健康福祉学部放射線学科において組織的な放射線取扱主任者試験対策用の学習コンテンツの充実化、放射線の「利用」と「規制」の両面から実験・演習の実施、原子力規制に関わる特別演習(施設見学・交流)、放射線防護に関わる研究指導等に関する種々の魅力ある科目や特別講義を充実させる予定です。
高度放射線防護人材育成コース(大学院生向け)
(Advanced Radiation Protection Human Resource Development Course)
大学院教育では、「高度放射線防護人材育成コース」を大学院人間健康科学研究科放射線学域に新設し、既存の科目に加えて新たに3プログラムを開講する予定です。
これにより、組織的な支援の下で国内のみならず海外の原子力関係組織と連携した講義・演習・インターンシップ等を経験させ、IAEAをはじめとする国際基準やガイドラインを理解した日本国内の規制と統合する能力、緊急時対応や放射線防護に関する実務的スキル、国際的な規制当局と協力できるコミュニケーションスキルと技術を育成します。また、次世代の原子力規制人材の候補者となる学生を指導する大学教員となる人材の育成を行います。